オビちゃんがドラ斬りの秘策を手にした。後半戦が始まる28日、首位巨人は2位中日を東京ドームで迎え撃つ。8連勝で2・5ゲーム差に迫る眼下の敵。初戦はウィルフィン・オビスポ投手(24)が先発予定だ。26日、川崎市内のジャイアンツ球場で入念に調整した。

 先発で3戦3勝と波に乗る。30度を超す猛暑でも約2時間の練習を平然とこなした。「ブランコも関係ない。誰が相手でも力と力の勝負がしたい」。150キロ超の剛球が最大の武器。現在、本塁打&打点の2冠の大砲にも真っ向勝負を挑む。と言いつつ、勝つための策をちゃんと練っていた。

 キャッチボールは尾花投手総合コーチとペアを組んだ。そこで、チェンジアップの握りを伝えられた。「もっと落ちるコツを教えてもらった。変化球も混ぜないとね。直球1本じゃ無理だよ」とニヤリ。投球の大半を直球が占める。その直球に威力がある分、時折投げるチェンジアップは効果抜群だ。同コーチは「チェンジアップの精度がもう少し上がれば」と期待した。

 実は07、08年オフに参加した母国ドミニカ共和国のウインターリーグで、中日ブランコと同じチームでプレーしたという。「アミーゴ(友だち)だった?

 今は関係ないよ」。かつての仲間も今は敵。勝利のため、打たれるわけにはいかない。

 出場選手登録を外れているゴンザレス、グライシンガーが29日以降に再登録予定。守護神クルーンとあわせ外国人投手枠いっぱいの3人となるため、オビスポは28日の登板で好投してもいったんは登録抹消となる。だが「ルールの中でやらないといけない。自分は言われたとおりにやるだけ」と前向きだ。前回22日の横浜戦では人生初の完投勝利を挙げた。右肩上がりを続けるオビちゃんが、首位攻防戦の先陣を切る。【古川真弥】

 [2009年7月27日9時3分

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