<中日2-4巨人>◇27日◇ナゴヤドーム

 中日が首位巨人に3連敗し、5・5ゲーム差に離されるとともに、目前で優勝マジック「26」の点灯を許した。エース格の吉見一起投手(25)がローテーションを早めて登板したが、天敵ラミレスに2点二塁打を浴び、7イニングで今季ワーストタイの4失点。竜投の「ラミレス恐怖症」を際立たせ、今季5敗目を喫した。それでも落合博満監督(55)は「この連敗がこの先のいい薬になるだろう」と、強気な姿勢を貫いた。

 中日の負の連鎖は、吉見にまでつながってしまった。チーム勝ち頭の13勝。5完投、4完封、3無四球試合はいずれもリーグトップのエース格。宿敵巨人を倒すため、ローテーションを中5日に早めて登板していた。「自分に勝ちがつくのが1番いいこと」。必勝態勢で臨んだが、強打線につかまった。7回を投げ、10安打、4失点はいずれも今季ワースト。「もうひとつ、投げきれなかった」と悔やんだ。

 またも、ラミレスにやられた。1-2の5回1死満塁。内を突いた初球がわずかに甘くなったところをとらえられ、左翼の頭を越された。2者の生還を、唇をかんで見つめた。3回に小笠原に浴びた26号先制2ランのショックは、振り払ったはずだった。ラミレスには4打数3安打。7回に浴びた左前打も、外角を狙ったフォークが真ん中に入ったところをたたかれた。

 「ラミレス恐怖症」は深刻だ。3連敗のいずれでも、猛打賞を許した。計14打数11安打の打率7割8分6厘、6打点、2本塁打。防御率リーグNO・1のチェンも、巨人戦3勝の川井も、必勝態勢の吉見も打ち込まれた。森バッテリーチーフコーチはラミレスの適時打について「(吉見は)塁が空いていれば厳しいところを攻められた。責めることはしないけど、巨人に勝っていかないと」と話した。

 「この連敗がこの先のいい薬になるだろう」。首位巨人に5・5差と離されても、落合監督は強気な姿勢を崩さなかった。前回の同一カード3連敗は5月8日からの巨人戦。8ゲーム差に広げられた当時、指揮官は「巨人を追っかけられるのはうちだけだ」と豪語している。言葉に導かれるように快進撃を始めたチームは、再び立ち直れるのか。こんなところで、あきらめるわけにいかない。【村野

 森】

 [2009年8月28日11時6分

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