<中日3-4広島>◇2日◇ナゴヤドーム

 落合竜のスタメンシャッフルが不発に終わり、広島に痛い連敗を喫した。左手首痛とみられる荒木雅博内野手(31)を今季初めてスタメンから外し、打線の大幅組み替えを敢行。終盤に追い上げたが1点及ばず、3試合連続1ケタ安打と貧打ぶりが際立った。首位巨人の優勝マジックは2つ減って21となり、ゲーム差は6に広がった。逆転優勝が遠のいていくが、このまま2位に甘んじるわけにはいかない。

 1点届かなかった。9回裏1死一、二塁。中日ベンチの願いを乗せた平田の一、二塁間への当たりは二塁手のグラブに収まった。ボールは4-6-3と渡り併殺が完成。広島に一時は13連勝するなど圧倒的な勝率を誇っていたはずが、まさかの2連敗。前回のカードから通算すれば3連敗となった。ナゴヤドームは「あ~」というため息に包まれた。

 落合監督は打線を大幅に組み替えていた。チームでただ1人フルイニング出場していた「2番二塁」の荒木を先発から外した。チーム方針で詳細は明かされなかったが、2日連続で打撃練習を回避した上に、試合後には左手首に包帯を巻いており、手首に何らかの異常が発生したようだ。ここ2試合無安打と本来の打撃ができていないこともあり、今後も考えての決断とみられる。

 2番の代役に藤井が起用され、二塁の代役に今季初スタメンの岩崎達が抜てきされた。シャッフルされた打線は後半に奮起。4点を追う7回、今季初めて7番に入った谷繁が広島前田健から先制の左前適時打を放った。さらに代打立浪が右前タイムリーで2点目をもぎ取った。8回には和田の二ゴロの間に3点目が入った。それでも、届かない。岩崎達は2安打したが、藤井は3打数0安打で途中交代。「戸惑いはなかったんですが…。切り替えます」と唇をかんだ。

 打線は3試合連続1ケタ安打。3連敗した8月25日からの巨人戦で5安打、6安打、6安打と抑え込まれてから、なかなか本来の姿に戻れない。ベンチで敗戦を見守った荒木の声も沈む。「大丈夫です。抹消されてないわけだから、出られる状態でいる。出られないという悔しさはありました。次に出たときは、途中で代わらないようにしたい。明日(3日)は様子を見てですね」とかみしめた。

 落合監督は「こんなもんだ」と多くを語らなかった。誰かが欠ければ誰かで補い、先を読みながらベストの選択をしていくしかない。巨人の優勝マジックは21に減り、ゲーム差も6に離された。逆転優勝が厳しくなる中、それでもあきらめずに次の手を打つしかない。【村野

 森】

 [2009年9月3日11時12分

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