球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出を目指す楽天に「ニンジン作戦」が浮上した。チームは残り29試合で貯金2の3位と、Aクラスをキープしている。悲願達成に向け1勝につき1人6万円程度の「臨時ボーナス」を設定し、さらに士気を高めるのが狙いだ。8日のオリックス戦に勝ち、4位西武が日本ハムに負けると初のCSマジック23が点灯する。球団創立5年目で初のAクラスを手にし、球団も選手も大喜びのオフとなるか!?

 激闘を続けるチームにとっては、絶好のニンジンだ。臨時ボーナスの対象は、1軍登録メンバー。1勝につき6万円程度のボーナスが、シーズン後の契約更改で上乗せされる見込み。楽天米田球団代表も「ボーナス?

 いろいろ考えています」と具体的な金額などは明かさないものの、検討中であることを認めた。球団初のAクラス入りに向け“出血サービス”で、ラストスパートへの勢いをつける作戦だ。

 若手主体のチームだけに、臨時収入はビッグプレゼントになる。7日現在、1軍28人の中で、年俸1億円以上の選手は投手では岩隈、野手では山崎武の2人だけ。1軍最低保障の1500万円に満たない若手選手も多い。大事な試合で活躍すれば、通常の査定も当然プラス。1つのアウト、1本の安打で一獲千金を狙えるチャンスともいえる。

 正念場だからこその作戦発令だ。8日からはビジターで9試合。ソフトバンク、日本ハムなど上位チームとの対戦も控えている。4位西武とのAクラス争奪戦は25日から。それまでにいかに貯金をキープできるかが、激しいクライマックスシリーズ進出争いを勝ち抜くかぎになる。9月に入ってからの成績は2カード連続負け越しの2勝4敗。直接対決を前にしての長期ロードは、今季一番の踏ん張り時だ。

 8日のオリックス戦に勝ち、西武が負ければ待望のCSマジック23が点灯する。3連戦の先発は岩隈、永井、田中と続く表ローテ。対戦成績でも12勝3敗1分けと大きく勝ち越している相手だけに、しっかり勝って目標数字を早々と点灯させたいところだ。泣いても笑ってもシーズンは残り1カ月あまり。Aクラスを確実にする連勝街道を築けば、球団にも選手にもバラ色のオフが待っている。【小松正明】

 [2009年9月8日7時21分

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