<巨人2-0中日>◇22日◇東京ドーム

 クライマックスシリーズ(CS)でやり返せ!

 中日チェン・ウェイン投手(24)が「気迫の続投」でG倒への意地を見せた。6回、亀井に24号2ランを浴びた後、古城の打球を左足に受けるアクシデント(記録は投ゴロ)。7回途中で治療のためいったんベンチに下がったが、続投して後続を抑えた。7回2失点と好投しながら完封負けで4敗目を喫し、巨人の優勝マジックはついに「1」。V逸は時間の問題となったが、CS第2ステージでの再戦に向け、雪辱を誓った。

 リーグトップの防御率を誇る男をしても、巨人を止めることはできなかった。「きょうは全然よかったと思う」。亀井の1発だけに沈んだチェン。さばさばとした表情でバスに向かった。優勝を目前に控えた巨人の手強さを物語りつつも、やり返す機会は必ずあると信じる。下を向いてばかりはいられなかった。

 「あれはしょうがない。(コースは)悪くはないし、低めにもいっていた。いいコースにいっても打たれる時はあるし、こういうのはしょうがない」

 6回だった。1死からラミレスを四球で歩かせ、迎えた打者は亀井。フルカウントから内角低めに投じたスライダーを、見事にライトスタンドに運ばれた。チェンは打球の行方を見つめたまま、マウンド上でぼう然と立ちつくした。

 カウント2-1から外角いっぱいを突いた球は2球連続でボールの判定。「(3球続けて)外に投げても打たれるし、ボール球を投げたら四球になる」。狙い通り、内角低めいっぱいに勝負球を投じたが、亀井の技に打ち負けた。

 それでもめげなかった。チェンはその後、古城の痛烈な打球を左足に当てたが、ボールを拾って投ゴロに仕留めると、7回もそのままマウンドへ。先頭の代打大道を三振に打ち取った後、違和感を訴え、治療のために自らベンチに下がったが、再びマウンドに戻ると、後続を抑え、執念で7回を投げ切る気迫を見せた。

 そんな姿に、森バッテリーチーフコーチも「自分の考えも何も、あいつの仕事場だろ。大丈夫だから投げるんだ。味方が2、3点取ったら勝利投手の権利が出る。意地でも投げるわ、あいつは」と、粘投を続けたチェンをかばった。

 打線の援護がなく、好投は報われなかった。これで今季、チェンがゴンザレスと投げ合った試合で、チームは4戦全敗。ついに巨人の優勝マジックも1に減り、きょう敗れれば目の前で胴上げを決められてしまう。

 だが、このままで終わるわけにはいかない。ペナント後、CSで再び巨人と戦うチャンスが残る。ゴンザレスとの投げ合いが実現する可能性もある。「7回2失点ならいいと思うし、内容も悪くはない。切り替えて頑張っていくしかない」。再び決戦の舞台となるであろう東京ドームで、次こそリベンジを果たしてみせる。【福岡吉央】

 [2009年9月23日11時3分

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