<巨人6-4広島>◇3日◇東京ドーム

 広島マーティー・ブラウン監督(46)が、がけっぷちに追い込まれた。3日の巨人戦に敗れ、クライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性が、4日にも完全消滅する。同監督は昨オフに契約を1年延長したが、来季続投の条件は「3位以内」で、可能性がなくなった時点で退任が決定する。4年目のブラウンカープが、いよいよ窮地に追い込まれた。

 ブラウン監督は昨オフ、3年契約を満了し、契約を延長した。その際に契約年数などの条件で球団側と交渉が難航。最終的には1年契約で合意した。ただし、3位以内に入ってCSへ進出すれば、来季も引き続いて指揮を執る条件だった。

 だが、その可能性は早ければ4日に断たれる。CS進出の可能性が消滅した時点で、同監督の来季契約更新はなくなり、ブラウン体制は4年で終幕を迎えることになる。

 巨人戦に敗れた試合後、ベンチ裏での会見でCS進出の可能性が消滅寸前になったことを問われると「確かに今日の負けは痛い。残り試合全勝しても、我々には何も保証されないわけだからね」と、もどかしさを口にした。

 これまでの3年間は5位、5位、4位といずれもAクラスを逃したが、昨年は142試合目までCS進出を争った。高橋建や黒田がメジャーへ渡り、抜けた投手陣も、前田健や斉藤、今井ら若手を育てることで埋め、野手でも天谷や末永、小窪ら若手を積極的に登用してきた。一方で判定に抗議して退場処分を受けると、ベースを投げるなど派手なパフォーマンスでも人気を呼んだ。

 今季は開幕の巨人3連戦を2勝1分と絶好のスタートを切ったものの、交流戦当初に借金が最大7まで増えた。7連勝するなどで勝率5割に復帰し、3位になったこともあったが、7月に7連敗、5連敗と立て続けに大型連敗を喫して借金が2ケタに膨れあがり、Aクラスどころか5位に転落した。9月に入ってようやく持ち直し、ヤクルトの急落もあって再びCS進出争いに加わった。

 絶体絶命の状況だが、ブラウン監督は「私の人生であきらめるということは一度もなかった」と最後まで全力を尽くす覚悟を口にした。

 [2009年10月4日11時12分

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