クライマックスシリーズ(CS)に間に合った!

 今季、最多セーブを獲得した岩瀬仁紀投手(34)が実戦形式のシート打撃に登板。打者6人を無安打に抑えた。打者との対戦は9月19日の横浜戦(ナゴヤドーム)以来、25日ぶりだった。疲労蓄積などでコンディションを落としていた岩瀬は「良い感じで投げられた」と手応えを口にした。CS直前で頼もしい男が戦列に復帰した。

 帰ってきた。きれいに整備されたナゴヤドームのマウンドに岩瀬が立った。CSに向けた実戦調整のシート打撃。先頭井端のバットを外角のシュートでへし折り遊ゴロに打ち取った。淡々と投球を続けて3者凡退。間隔を空けて再び上がった2度目マウンドではデラロサ、立浪、小池を次々に料理。最終打者となった小池からは、切れ味鋭い変化球で空振り三振を奪った。遠ざかっていた実戦マウンドで確かな感触をつかんだ。

 岩瀬

 結果的には、久しぶりの割に良い感じで投げられた。体もだいぶ戻ってきている。久々にマウンドにも立ったんで。(体は)良い感じで回復してきているんじゃないかと思う。変化球?

 思うような形で投げられたことは良かった。あとはコンディショニングのところですね。

 チームメートの反応が現在の岩瀬の出来を現していた。遊ゴロに打ち取られた井端は「良かったんじゃないですか」と話した。岩瀬の球を受けた谷繁は「いつも通りですよ」と笑顔だった。岩瀬が実戦形式のマウンドで結果を残したことはチームにとって収穫だった。森バッテリーチーフコーチも守護神の投球に「見ての通りだ。肩は問題ないんだよ。投げられれば(CSで)使うよ」と及第点を与えた。

 ぶっつけでCSに臨む可能性もあった。一時はシーズン中の復帰プランもあったが、肉体に蓄積された疲労を取り除くことに専念してきた。シーズン最終戦の11日ヤクルト戦(神宮)もベンチ入りはしたが、登板機会はなかった。打者と対峙(たいじ)するのは9月19日の横浜戦以来。練習とはいえ、CS直前に実戦形式の練習で試運転できたことは大きな意味があった。

 森コーチも「もちろん最悪のケースは想定しておかないと」と言う通り、CSでも浅尾、高橋らをストッパーとして準備させる可能性はある。だが、このまま岩瀬が復調すれば、ストッパーとして起用するメドが立つ。岩瀬は「明日、明後日と調整していい形でCSを迎えられたら良いですね。最悪、今日ぐらいは投げられれば」とはっきりとCSを見据えた。頼れる男がギリギリで間に合った。【桝井聡】

 [2009年10月15日10時56分

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