<セCS第1ステージ:中日7-4ヤクルト>◇第3戦◇19日◇ナゴヤドーム

 ポストシーズン男がまた一撃をお見舞いした。1点を追う3回2死一塁。カウント1-1。中日和田一浩外野手(37)はヤクルト由規の高めに浮いた直球を見逃さなかった。打球は一直線に伸びて右翼最前列に飛び込んだ。「抜けてとは思ったけど、入るとは(思わなかった)。何とか(ボール)を押し込めたのが良かった」。この逆転の2ランは西武時代のプレーオフ、日本シリーズを含め、ポストシーズン10本目の本塁打だった。

 負ければ即、今シーズンが終了する。のるかそるかの1戦で神経を研ぎ澄ませていた。和田は「あのような場面で点をとらないと、みんな硬くなってしまう。1打席目打てなかったので、次は必ず走者をかえそうという気持ちだった」と振り返った。1回は2死一、二塁のチャンスで二ゴロに打ち取られた悔しさをバットに乗せた。

 これだけでは終わらなかった。5回には左前打を放ち、谷繁の適時打で3点目のホームを踏んだ。6回にも左前打を放ち、この日は5打数3安打と猛打賞をマーク。CS第1ステージ3試合では2本塁打を含む12打数7安打、4打点。打率5割8分3厘と驚異的な数字をたたき出した。「打つことが自分の仕事。しっかり仕事が出来て良かった」。ヤクルト撃破の推進力になった。

 ポストシーズン男はまだまだ安打を量産するつもりだ。今季は144試合フル出場。疲労が蓄積していることは間違いない。それでも「疲れ?

 時間が空いたので元気になっています」とそんなそぶりを一切見せない。さらに「あくまでも(中日は)2位のチーム。失うものは何もない。思い切ってやりますよ」と巨人戦をはっきりと見据えた。CS第2ステージでもこの勢いは止まりそうにない。【桝井聡】

 [2009年10月20日10時44分

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