真弓ノック解禁だ!

 阪神の高知・安芸秋季キャンプで1日、真弓明信監督(56)が鳥谷、水田、野原将の内野陣にノックの雨を降らせた。昨オフの監督就任以来、練習メニューでノックを打つのは初。守備強化のため、来春のキャンプまで精力的にノッカーを務めることを明かした。

 朝からの雨で、この日の練習は室内の安芸ドームで行われた。屋根を打つ雨音に負けないほど、ノックの打撃音と真弓監督の甲高い声が反響した。鳥谷らを前後左右に動かした本格的なノック。早いリズムで鋭いゴロを放ちながら50分間、ノックバットが止まることはなかった。

 「たまにはね。コーチも疲れてくるころだし。ただ、守備力というのはちょっと油断するとすぐに落ちる。この秋と来年の春のキャンプでノックの量を増やすだろうから(自分が打つ機会も)あるだろう」。

 現役時代に遊撃と外野手でベストナインを獲得した指揮官は、内外野の両方で守備の重要性を説いていた。意に反し、1年目の今季は昨季を上回る86失策と崩れた。これまで守備練習では捕球役などで選手を叱咤(しった)するシーンも多かったが、直接ノックは控えていた。勝負の2年目に向けて封印を解いた。

 「春になったらもう少し若い選手も入ってくるだろうしな」。

 メンバーを少数精鋭に絞ったこの秋はほんの小手調べ?

 同い年の中日落合監督がそうするように「鬼のノッカー」に変身する。

 [2009年11月2日12時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク