野村カープの新陣容が固まりつつある。今季限りで現役を引退した広島緒方孝市コーチ(40)が、1軍外野守備走塁コーチに就任することが1日、明らかになった。引退を表明した10月上旬には球団から2軍コーチ就任を要請されていたが、守備や走塁を重視する野村謙二郎新監督(43)のチーム方針もあって、1軍スタッフ入りする見通しだ。また、浅井樹2軍打撃コーチ(37)と山内泰幸2軍投手コーチ(36)も1軍に配置転換される方向で、最終調整が進む。

 「勝つ集団」を追求するため、緒方コーチが1軍スタッフに入る。今季までの現役時代には3度の盗塁王を獲得し、5度のゴールデングラブ賞に輝いた実績を持つ。守備走塁のスペシャリストが、コーチ専任1年目から外野守備部門を担当することが濃厚になった。球団関係者は「緒方は2軍からという話もあったが(秋季キャンプを)しているうちに、そう(1軍で)なった。走塁面も鍛えていかないといけないから」と説明した。

 同コーチは今季限りで現役を退いた。08年から2年間は野手コーチ兼任でプレー。将来の「監督手形」も用意されており、球団側は当初、来季の2軍コーチ就任を打診し、指導者としてのイロハを学ばせる方針を示していた。しかし、新任の野村監督が来季の目標を「優勝」を掲げ、コーチ陣の振り分けに関しても、10月26日から始まった日南秋季キャンプで適材適所の配置を探っていた。

 チームの強化ポイントである守備走塁面で、1軍にノウハウを注入することになる。今秋キャンプでは実戦に即した守備走塁練習を重点的に実施。同コーチは走塁や外野守備などで精力的に指導を重ねている。野村監督の意向などから総合的に判断し、1軍スタッフに入ることが決定的だ。現役時には、野村監督と17年間にわたって、同僚としてプレー。指揮官の野球観にも長く触れており、頼もしい“片腕”になりそうだ。

 また、2軍担当だった浅井打撃コーチは1軍に配置転換され、内田打撃統括コーチと二人三脚で指導にあたる。投手部門でも、山内2軍コーチが新任の大野豊ヘッド兼投手コーチとコンビを組む。永田1軍外野守備走塁コーチは、2軍で若手育成にあたることになりそうだ。新たな首脳陣が一丸となって、カープの強化にあたる。

 [2009年11月2日12時13分

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