横浜を戦力外となった工藤公康投手(46)が13日、西武復帰を決断した。12日に横浜市内のホテルで西武前田球団本部長と入団交渉を行い、条件提示を受けた。家族と話し合い、94年まで在籍した古巣で再びプレーすることを決意した。この日夜、「今日家族会議を開き、話し合いをした結果、西武さんにお世話になることを決めました」とすっきりした表情で話した。早ければ近日中にも「西武工藤」が正式に発表される。

 この日は午前中、横須賀の横浜2軍練習施設で約1時間半の調整。「貴重な戦力として評価していると言っていただきました」と話していた。獲得調査を進める球団もあったが、「最初に声をかけてくれた」と古巣への恩義を何より重んじた。工藤とともに黄金期を支えた渡辺監督が、補強ポイントの中継ぎ左腕として「うちに入ったらNO・1」と高く評価したことも決め手になった。

 注目のドラフト1位左腕、花巻東・菊池雄星投手(18)が工藤の著書を読むほど尊敬し、西武入りを熱望していた。小林球団社長は「同じ左として参考になる。いい意味で刺激になれば」と、人気面や影響力など幅広い効果にも期待した。実働28年のプロ野球記録を更新中の来季47歳左腕が、ライオンズに帰ってくる。

 [2009年11月14日8時50分

 紙面から]ソーシャルブックマーク