「黄金マッスル」で大成を目指す。今秋のドラフトで広島に入団した新人7選手が17日、広島市内で体力測定などを受けた。故障の予防を目的とした形態計測では、2位の堂林翔太内野手(18=中京大中京)が絶賛された。石井チーフトレーナーが「抜群です」と話すなど、全身の筋肉の質やバランスを高く評価。また、脚筋力の数値も参加選手のなかでNO・1だった。将来の4番候補が素質の高さを見せつけた。

 堂林の両足は、おもちのようにプルプルしている。広島市内にあるグリーンアリーナの一室。筋肉を触った石井チーフトレーナーは思わずうなった。弾力性があり、つやもある。「うちで一番良かったのは佐々岡(現野球評論家)です。つきたてのもちのように、柔らかい。堂林?

 同じような感じです」。183センチの長身を保つ足は上質の筋肉を持っていた。

 形態計測では、偏って筋肉がついていないかチェック。例えば、膝蓋(しつがい)骨の上部10センチの周径囲を計り、左右差が2センチ以上あれば故障のリスクが高いというもの。筋肉のつき方のバランスでも注目を集めた。同トレーナーは「マエケン(前田健)は細かったけど、筋肉のバランスがすごく良かった。(新人中では)堂林です。抜群ですね!」と説明。筋肉の柔らかさ、バランスの良さは「出世」する条件。マリナーズ・イチロー、西武松坂(現レッドソックス)らも高い質を誇っている。

 自転車をこぎ、パワーを計る脚筋力のテストでも7人中最高の16・42(最大無酸素パワーを体重で割った数値)をはじき出した。筋肉の質、バランスの良さ、そしてパワー…。絶賛された堂林は「偏っていてはダメだと思うので、上半身と下半身を平均的に鍛えて強くなっていければいい」と話した。前日16日の入団会見では「小、中、高校と4番を打っていた。その気持ちはあります」と意気込んだ。逸材の高校時代のニックネームは、丸刈り頭と顔の輪郭から「たまご」。主砲候補は、まさに「金の卵」だった。【酒井俊作】

 [2009年12月18日10時49分

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