ソフトバンクが来秋のドラフト1位候補として早大・大石達也投手(3年=福岡大大濠)をリストアップしていることが30日、分かった。大石は地元福岡出身で、最速154キロを誇る大型右腕。阪神、オリックスも既に獲得へ興味を示している逸材だ。

 ソフトバンクが地元福岡出身の快速右腕を徹底マークすることになった。角田球団代表は、最速154キロを誇る早大・大石を来秋ドラフトの1位候補選手としてリストアップしたことを明言した。「いい投手と聞いているし、当然候補に入ってくる選手」。阪神、オリックスが獲得に名乗りを挙げている逸材だが、高校時代からマークを続けてきたホークスも譲らない。

 球威ある直球と切れ味鋭いスライダーが大きな武器だ。早大のチームメート斎藤佑樹投手(3年=早実)に注目が集まる中、ともに大学1年からベンチ入り。今年に入って球速も154キロまでアップ。秋には東京6大学のベストナインに輝くなどストッパーとしての地位を不動のものとしている。6大学で42試合106回を投げ、153奪三振。奪三振率12・99と驚異の数字を打ち出している。11月下旬のU26NPB日本選抜対大学日本代表(東京ドーム)では1回を投げ、2奪三振で無失点。巨人亀井を3球三振に仕留め、広島天谷も高め直球で空振り三振に切った。

 身体能力の高さが、さらなる成長の可能性を感じさせる。打撃センスも評判が高い。来季は試合の先発はセンターで出場、終盤は抑え投手としての起用を伝えられており、異例の“投打二刀流”で臨むほど。球団関係者は「運動するセンスが抜けている。打撃もすごい」と舌を巻き、ドラフトイヤーとなる来年1年間でのさらなるレベルアップに期待している。

 早大は1月5日に練習始めを行い、2月下旬には米ロサンゼルスキャンプに臨む。球団では年明けの練習視察とともに、米国へのスカウト派遣も検討中。徹底マークで大型右腕を追い続けるつもりだ。

 来年のドラフトでは、大石や斎藤のほかにも、最速156キロ右腕の中大・沢村拓一投手(3年=佐野日大)ら好素材がずらり並ぶ“当たり年”。ソフトバンクでは救援陣に守護神馬原、セットアッパー摂津を擁しており、今後は球団の補強ポイントとの兼ね合いで、さらに最上位候補選手は絞られていく。

 [2009年12月31日10時58分

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