西武ドラフト1位の菊池雄星投手(18=花巻東)は遼くんといっしょ。7日、埼玉・所沢の若獅子寮に入寮。西武第2球場で早速練習し、82球の今年初投げを行った。昨年の男子プロゴルフ賞金王の石川遼(18)が用具契約しているヨネックス社のトレーニングウエアで、スタートを切った。

 上着の鮮やかな青と手袋のピンクが、寒空に映えた。胸の「yy」のロゴはゴルフやバドミントンでおなじみだが、野球界では珍しい。同社の宣伝広報課は「菊池投手から、石川遼くんの着こなしにあこがれ、あまりにステキだったので着用したいとの申し出がありました」と約80点のアイテムを提供した。中には石川が使っているベルトなどゴルフ関連も20点。これまでファッションには無頓着だった菊池だが、同い年の石川に刺激されて目覚めた。

 明るいカラーに身を包んで動きも軽い。キャッチボールでは山なりの球ばかりだったが、受けたドラフト5位で早大・斎藤の1年先輩の松下の感想は違った。「緩いボールで、あんな回転数が多いのは見たことがない。斎藤が入学して最初のキャッチボールも受けてすごかったけど負けてない」と最速155キロの片りんを見せつけた。

 出発前の盛岡駅では、ハプニングもあった。野球部チームメートの見送りを受け、緊張と興奮のあまり鼻血を出して苦笑い。最後はすっかり落ち着きを取り戻し、寒いなかでも声援を送り続けた約50人のファンに「これからもよろしくお願いします」と頭を下げた。ファンを大切にする姿勢もまた“遼くんスタイル”で始動した。【亀山泰宏】

 [2010年1月8日9時50分

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