G倒のシナリオできた!

 中日和田一浩外野手(37)が14日、佐賀県武雄市で自主トレを公開した。オレ竜の主軸を担うスラッガーは、今季の目標に「打倒巨人」を掲げ、そのためにチームと自身が苦手だったゴンザレス、オビスポの両外国人右腕の攻略イメージを完成させた。九州地区の名湯・武雄温泉につかりながら、巨人へのリベンジの準備を整えた。

 佐賀県の山間部、かつて剣豪・宮本武蔵も利用した温泉地で、G倒のイメージがふつふつと沸いてきた。「去年はシーズンであれだけやられて、プレーオフでもやられた。僕の野球人生でもこれだけ1つのチームにやられるのは初めて。情けない。今年は絶対に勝ち越したい」。雪がちらつく武雄市内の体育館で汗を流しながら、対巨人への熱い思いを吐きだした。

 昨季は巨人に8勝16敗とたたきのめされ、雪辱を期したクライマックスシリーズでも跳ね返された。原監督が3連覇を達成して宙に舞う姿を目の前で見せつけられた選手たちは、リベンジの思いを共有している。和田はとりわけ「G倒」を強調した。そして、そのためのイメージトレも完了しているという。

 「去年はうちは打てなかった。同じ投手に同じようにやられた」。和田がG倒のシナリオとして頭に描いているのがゴンザレス、オビスポの両外国人投手の攻略だ。ゴンザレスには0勝4敗、チーム打率1割8分1厘と完ぺきに封じられた。オビスポには和田自身が8打数1安打と抑えられた。昨季、2人に喫した6敗をお返しすれば、それがG倒につながる。では、どう攻略するのか。

 「簡単に言えばストライクを打つこと。例えばオビスポの場合、みんな高めの直球に手を出してやられていた。もちろん、ストライクに見えるから振るんですけど、あれ(高めのボール球)に手を出すか、出さないかで全然違う」。打者に対して極端にインステップして投げるオビスポは右打者の内角高めに球が抜けやすい傾向にある。打者は自分に向かってくる恐怖心があるため、それを振ってしまう。この見極めが攻略のカギだという。また抜群の制球力を誇るゴンザレスも結局はボール球を振らされた印象が強い。

 たどり着いた答えは「ストライクを打てば、打てる!」というシンプルな原則。具体的な方法については「やり方はいろいろありますから」と不敵に笑った。初対決となる4月9日からの巨人3連戦(東京ドーム)で実践して見せるというわけだ。「今年は100打点(昨季87打点)は打ちたい。僕が100打点あげれば巨人にあれほど離されることはなかった。チャンスでファンや仲間から信頼されるようにしたい」。和田は湯けむりにつつまれながら、静かに復讐(ふくしゅう)の牙を研いでいた。【鈴木忠平】

 [2010年1月15日10時53分

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