日本ハムが、西武のスーパールーキー菊池雄星投手(18=花巻東)との初対戦に備え、分析強化に本腰を入れる案が14日、浮上した。キャンプ中、2軍戦などで、対策資料の1つとなる菊池の動画収集を徹底する。プロでは未知の菊池だけに、自選手のイメージトレーニング用にと、大手動画サイトさながらの「雄チューブ」で対抗する。

 リーグ連覇の障害になりうる左腕と日本ハムが、真っ向から向き合う。千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレを視察した五十嵐2軍監督がこの日、「(菊池を)ビデオで撮ることも必要かもしれない。人手が足りたら、そういうこともしていきたい」と明かした。菊池が開幕2軍スタートした場合を想定。イースタン・リーグで対戦した場合、1軍へ供給する資料を集める考えを示した。

 1、2軍の総力を結集して、情報戦を乗り切るつもりだ。試合前のミーティングでは、初対戦や対戦が乏しい選手については、動画がイメージを膨らませる貴重な資料になる。菊池が開幕1軍ならキャンプとオープン戦、開幕2軍なら2軍スタッフが協力して、実戦での登板シーンなどの資料を多く集める。遅かれ早かれ強敵になる可能性があるだけに、用意周到に準備を行う方向だ。

 これまで2軍戦では自軍の投手、野手を録画してきたが、菊池登板の際にはその要注意左腕にピントを合わせることもあり得る。昨季は1軍のチーフスコアラーを務めた同監督は「上から何かを聞かれた時に答えられるようにしないといけないから」と話した。乗せたら怖い、勢いある新星だけに、最善の策を未然に打つ。初対戦前に「雄チューブ」が完成すれば、打者が打席でフリーズすることはなさそうだ。【高山通史】

 [2010年1月15日10時51分

 紙面から]ソーシャルブックマーク