阪神能見篤史投手(30)が、新加入した城島健司捕手(33)との早期バッテリー結成に意欲を見せた。16日、沖縄・嘉手納町で行う自主トレを公開。昨季チームトップの13勝を挙げ、今年はさらなる飛躍が求められる左腕は、ジョーの“タテジマデビュー”が予想される今季の初実戦、2月13日の練習試合(対日本ハム・宜野座)でのバッテリー結成に前向きな姿勢を示した。プロ6年目の今季を「実質2年目」という控えめな男は、自己PR作戦の1つとして正捕手候補との“開幕バッテリー”を望んだ。

 ブルペンだけでは物足りない。お互いの信頼を強固なものとするため、能見が城島との関係構築に選んだ場所は、実戦でのバッテリー結成だった。「試合で感じることとブルペンで感じることは、全然違ったものがある。ブルペンだけじゃ分からないことがありますから」。気温18度。温暖な気候のもと、約2週間後に迫った沖縄・宜野座キャンプへ向けて準備を進める能見が、城島との早期バッテリー結成に意欲を見せた。

 視野に入れているのは、2月13日に予定される日本ハムとの練習試合だ。真弓阪神2年目の初実戦でもあり“今季開幕戦”。そこで城島が“タテジマデビュー”を飾る可能性が高い。能見は「(首脳陣に)投げる日を言われると思うのでそこが基準になると思うが、そのころにはもう肩の方もある程度は仕上がっていると思う」と自身の登板に影響がないことを明言。さらに「(城島に)僕のことを分かってもらわないといけないし、僕の軸というものを伝えないといけない」と実戦の中での自己PRに意欲を示した。

 昨季はチームトップの13勝を記録。今季は岩田と並んで先発ローテの軸として期待されている。本来、この時期の実戦は1軍生き残りを掛けた若手中心メンバーで試合に臨むことが多いが、能見の中では「僕は去年、1年間やってたまたま結果が出ただけ。」と慢心はない。首脳陣に登板直訴ができれば、早期バッテリー結成の可能性も十分だ。一方で3月26日の横浜との開幕戦へは「(その思いは)まったくありません」と足もとだけを見つめる。

 嘉手納で行う自主トレには、後輩の筒井、狩野も帯同。午前10時から行う練習メニューの中では、既に狩野を打者に立たせての打撃投手も務めるなど、順調に調整が進んでいる。「今年は何としても優勝したい。その中でチームに貢献したいですね」。悲願のV奪回に向け、まずは女房役に自身を売り込むことから始める。

 [2010年1月17日11時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク