中日ナインの間に17日、大地震に見舞われたハイチ共和国へ義援金を送る動きが出てきた。カリブ海に浮かぶ同国は、毎年のように選手を獲得するなどチームとつながりの深いドミニカ共和国に隣接し、すでに5万人が地震で亡くなったと伝えられている。選手獲得などで毎年ドミニカを訪れる森繁和ヘッドコーチ(55)が救済計画を発案し、同国のウインターリーグに派遣された選手らが呼応。沖縄キャンプで寄付を集め、国際機関を通して同国に送る。遠くて近い国に、竜が愛の手を差し伸べる。

 阪神淡路大震災から15年目のこの日、中日に新たな義援金プランが生まれた。送り先はハイチ共和国。野球王国ドミニカ共和国と国土を二分するカリブ海の小さな島国で、12日にマグニチュード7・0の大地震に見舞われている。ドミニカと関係の深い森ヘッドが隣国の被災を心配し、計画を発案した。

 森ヘッドにとって大災害は人ごとではない。新外国獲得のため毎年のようにドミニカに出かけ、06年オフからは中日選手をウインターリーグに派遣。今季はディオニス・セサル外野手(33)ら4選手を獲得した。その中でふとしたときに伝え聞くのは、隣国ハイチの貧困ぶり。「平均収入は1日2ドル(約180円)だそうだ。ドミニカも貧しいが、ハイチから出稼ぎに来ているらしい。同じ島だし、世話になった(中日)選手もいるだろう。たいした額にならなくても、何かの足しにはなる」と説明した。

 森計画を伝え聞いた選手たちも、敏感に反応した。06年からドミニカ・ウインターリーグへの選手派遣が始まり、中田、高橋、吉見、川井、浅尾、山井、藤井らが参加。それぞれ何らかのきっかけをつかみ、成功につなげている。08年派遣の藤井は「ドミニカに行った選手を中心に呼びかけます。ボクがやるのが1番いいと思う」と、まとめ役に立候補。07年派遣の吉見は「ヨメとも何か協力したいねって言ってたところ。ぜひやりたい」。07、08年派遣の川井も「自分を育ててくれた場所。もちろん協力します」と話した。

 チームとしても、ハイチの被災は身近な問題だ。今オフ獲得した4人の新外国人とブランコ、ネルソンのドミニカ勢の全員無事は確認されたが、被害が及んでいたらと考えるとゾッとする。義援金集めの動きはどこまで広がるか。全選手が集まる沖縄キャンプで計画は具体化される。【村野

 森】

 [2010年1月18日9時41分

 紙面から]ソーシャルブックマーク