ソフトバンク大隣憲司投手(25)が開幕ローテーション4番手の座を“はく奪”された。高山郁夫投手コーチ(47)が25日、先発枠について「(現時点で)3つ空いている」と発言。杉内、和田、ホールトンに次いで当確とみられていたが、あえて名前を外すことで奮起をうながした。

 油断は厳禁だ。先発枠について問われた高山コーチは「まだ2つ…」と言いかけて「3つ空いている」と言い直した。ギリギリで当確を逃したのは大隣。4年目の左腕に対して「まだ若手。今年が勝負になる。競争だからね」とゲキを飛ばした。

 大きな期待の裏返しでもある。08年にはチームトップの11勝を挙げ、昨季も同3位の8勝をマークした。一方で防御率は4・59にとどまり、自己ワーストの10敗を喫した。チームを見渡しても、2枚看板の杉内と和田が30歳目前となり、次世代のエース候補には成長が求められている。

 残り3枠をめぐる争いはデッドヒートだ。同じ若手の大場や岩崎のほか、リハビリ中の新垣や斉藤、中継ぎから転向した藤岡や高橋秀らライバルは多い。高山コーチは「若手も中堅も含めて、死にものぐるいでつかんでほしい。人生が変わるかも」とバトルをあおった。キャンプでは第1クールから投手陣がフリー打撃に登板する予定。序盤から壮絶なサバイバルが幕を開ける。

 [2010年1月26日12時26分

 紙面から]ソーシャルブックマーク