ソフトバンク岩崎翔投手(20)が開幕ローテーション入りへ強烈デモだ。7日、宮崎キャンプで初めてのフリー打撃に登板。長谷川を“無安打”に抑えたほか、明石のバット2本を折るなど快投を見せた。1月の自主トレでは斉藤に弟子入りして約5キロの増量に成功。パワーアップの成果を披露して、この日に登板した大場と巽のライバル2人を1歩リードした。

 縦に真っ二つに割れた木片が、岩崎の成長を物語っていた。2人目の打者明石への13球目。しなやかな右腕から放たれた白球が赤いマスコットバットをへし折った。7球目に折ったのに続いて2本のバットを砕いた。明石には27球で安打性の当たり5本を許したが、1人目の長谷川には28球を投じて“無安打”。昨季の3割打者を封じ込めた。

 岩崎

 指にかかった球は良かった。前は疲れていたら疲れているなりの球しか投げられなかったけど(今日は)疲れている中でも納得のいく球を投げられた。

 「カズミボディー」の成果だ。岩崎は1月の自主トレで斉藤に弟子入りして米アリゾナへ同行。188センチの長身に対し74キロと細身だったのが、79キロ近くまで増量に成功した。下半身強化でユニホームのズボンがきつくなり、松中からも「大きくなったな。カズミ(斉藤)みたいになってきた」と声をかけられたという。

 開幕ローテ入りへ絶好のアピールとなった。今キャンプでは常に大場、巽と同じグループで練習しており、この日もライバルの「ドラ1トリオ」がそろってフリー打撃に登板。「大場さんと巽さんに勝たないといけないんで」と燃える闘志をボールに乗せた。高山投手コーチは「腕が横振りになっていた」と課題を指摘した上で「先発枠が空いているし、取りにきてほしい」と期待を寄せた。

 登板後にはブルペンへ入って立ち投げで約50球を投げたほか、居残りでシャドー投球も行い、午後7時すぎまで球場で汗を流した。「シャドー(投球)は1軍の投手になってきたけど、ブルペンやマウンドではまだまだ」。無限の向上心と可能性を内に秘め、平成生まれの20歳が次代のエースを目指す。

 [2010年2月8日12時4分

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