野村カープ待望の新助っ人が本領を発揮した。広島の新外国人ジャスティン・ヒューバー内野手(27=ツインズ3A)が14日、宮崎・日南キャンプの紅白戦で待望の一発を放った。白組の4番として6回に中堅左へ140メートル弾。2回のヒットを含めて2安打1打点。野村監督が獲得を熱望した男が結果を出し、指揮官もホッと一息。他球団のスコアラーも警戒を強めた。コイの大砲はさらに調子を上げていく。

 豪快な放物線が、日南・天福球場に描かれた。紅白戦6回裏1死無走者、横手投げ林のスライダーが甘く入ってきたところを、ヒューバーは見逃さなかった。打った瞬間それと分かる豪快な一発が、中堅へ。打球はフェンスを越え、芝生席後方の通路もオーバーして壁を直撃した。推定距離140メートルの一打に、スタンド観客から大きな拍手がわいた。

 ヒューバーは「沖縄で紅白戦に出たとき(11日)より、仕上がってきたね。結構パワーがあるでしょ?」といたずらっぽく笑った。2回の第1打席でも左前へしっかりと運び、4回の第2打席ではエラーにはなったが、三塁線へ痛烈な打球を放った。沖縄で3打席2三振に終わった頼りない打撃とは見違える力強いスイングを披露した。

 調子を上げてきた助っ人に、キャンプ初日から広島を密着マークする中日善村スコアラーも「スイングに明らかにキレが出てきた。振れている印象です。パワーもある。今後要注意ですね」と警戒心を隠さなかった。

 日本野球に慣れるために、タイミングの取り方やバットの軌道などについて、自分からコーチらに聞き、打ち込んで体に覚え込ませている。日本での生活にも「みんなフレンドリーだし、安全でフルーツもおいしい。野球は楽しいし、住むには最高だよ」とすっかりお気に入り。「順調に来ているし、これからたくさんの投手のボールを見て、しっかりとした手応えをつかみたい」と前向きだ。

 待望の一発に、ヒューバー獲得を熱望した野村監督も「自分が一番ホッとしているよ」と笑顔で話した。「いい結果が出て気分的にも良かったのでは。オープン戦でもいろいろな投手相手に結果を出してくれればね」。コイの貧打解消へ、上昇機運の助っ人大砲に期待感はさらに高まる。【高垣

 誠】

 [2010年2月15日10時35分

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