あるぞ右翼開幕スタメン!

 ドラフト5位の大島洋平外野手(24=日本生命)が19日、韓国SKとの練習試合(沖縄・北谷)に7番・右翼で先発出場。第1打席で右翼席へ「第1号」となる2ランを放った。この日のスタメンは主力がズラリと並ぶ、仮想開幕オーダー。千載一遇のチャンスで期待に応えた大島は、今後の活躍次第で開幕スタメンの可能性が出てきた。

 鮮やかな一撃だった。0-1の2回1死一塁。カウント1-0から韓国SKの先発門倉が投じた2球目に大島が反応した。やや内寄りの141キロ直球を強振。打球は北谷球場の風にも乗って、右翼席の芝に植えられた木に直撃した。推定120メートルの「プロ1号」。歓声を上げるベンチをちらりと見たルーキーは、はにかみながらダイヤモンドを1周。本塁で待つ井端とハイタッチを交わした。

 大島

 ゲッツーだけは避けたいと思って一、二塁間を狙っていた。(一塁走者の)井端さんを何とか進めたかった。真っすぐを狙っていたらうまくはまりました。風にうまく乗ってくれた。風のおかげ。僕の場合はヒットの延長がホームラン。狙って(本塁打を)打てるわけではない。

 大抜てきだった。この日のスタメンは野手全員が主力。開幕を見越したメンバーのようにも思われた。その中でルーキーではただ一人、大島がスタメン出場していた。首脳陣の期待に結果で応えた。

 大島

 レギュラーメンバーの人たちと一緒にプレーして、いつも以上の緊張感で、あんなプレーができて良かった。試合前に(スタメンを)言われた。まさか入るとは思っていなかったのでびっくりした。

 今後の活躍次第では開幕スタメンの可能性もある。辻総合コーチは「このままアピールすれば開幕1軍も」という問いに「当たり前だろ」と即答した。この日、球場に視察に訪れた巨人樽見スコアラーも「1軍でも遜色(そんしょく)ないスイングをしている。開幕メンバーに入ってきてもおかしくない」と警戒を高めた。

 試合後も約1時間、マシン打撃を行った大島は「開幕スタメン?

 全然そんなことは考えていない。いっぱい、いっぱいです」と苦笑い。だが、開幕スタメンは決して夢物語ではない。【桝井聡】

 [2010年2月20日11時21分

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