ルーキーはブーちゃんだけじゃない!

 中日ドラフト4位の松井佑介外野手(22=東農大)、同5位の大島洋平外野手(24=日本生命)も、中田亮に負けじと存在感を見せつけた。松井佑が2ランを放てば、大島もオープン戦3試合連続安打&プロ初盗塁。オレ達もいると言わんばかりの活躍で、開幕1軍入りをアピールした。

 ナゴヤドームがルーキー劇場と化した。5回だった。中田亮が適時打で勝ち越しとなる2点目を奪った直後、続く8番松井佑がロッテ・コーリーの内角スライダーを左翼スタンドにぶち込む2ラン。「結果が出ていなかったので、無我夢中で振りました。体の回転を意識していました」。2月20日のヤクルト戦に続く、オープン戦トップの2号。ベンチでは、先輩陣にハイタッチで出迎えられた。

 キャンプ中旬、実戦が開始前に、松井佑はこう話していた。「僕に与えられるチャンスは少ないと思うが、その中で結果を出していかないと、1軍には残れない」。だが、2月23日の楽天戦以降、ヒットの出ない日が続いていた。ファームでは藤井、野本らがチャンスを待っている。次第に焦りも増していたが、そんな中での1発で、自身の株を再び上昇気流に乗せた。

 ルーキー劇場の幕を開いたのは大島だった。先頭で迎えた5回、3試合連続安打となる左前打で出塁すると、続く谷繁の初球にプロ初盗塁。「スタートは遅れましたが、足が上がったのでいけると思った」。走攻守3拍子そろった即戦力という看板通りの俊足で、二塁ベースを陥れた。

 辻総合コーチも「きょうは走れる選手がいたというのが分かった」と、盗塁を決めた大島を評価。「若い選手が下から突き上げてくれれば、刺激になる」と、新人のアピール合戦を歓迎した。

 お互いが連鎖するように試合で存在感をみせる日々に、大島も「(自分が)打てば、その後、誰かほかの選手が打ちますからね」と、互いの活躍が刺激になっている様子。今年は開幕1軍争いの中に、ルーキーたちも名前もしっかりと刻まれている。【福岡吉央】

 [2010年3月2日9時38分

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