<ソフトバンク1-2西武>◇2日◇福岡ヤフードーム

 「4本柱」は1点も許さない!

 ソフトバンクのデニス・ホールトン投手(30)が苦手レオ打線を封じ込めた。オープン戦初先発で3回1安打無失点。2月26日広島戦で先発した和田から杉内、大隣と続き、開幕ローテに内定している先発4人は実戦の“無失点リレー”を14回に伸ばした。ホールトン自身も昨季苦しめられた西武を抑え、開幕へはずみをつけた。

 青い瞳を輝かせ、ホールトンが胸を張った。西武を3回1安打無失点。アイシングを終えて報道陣に囲まれると、甲高い声で手応えを口にした。

 「ハッピーだ。西武を相手に無失点に抑えられて、開幕へ向けて自信がついた」。昨季6試合の登板で2勝2敗ながら防御率4・70、8被弾と苦しめられたレオ打線を封じ、笑顔で球場をあとにした。

 見せ場は1回だ。先頭の片岡に二塁打を許し、栗山の犠打でいきなり1死三塁のピンチを迎えた。打席には昨季2本塁打を献上した中島。外野フライも許されない状況で、強気に攻めた。カウント1-1から3球連続の直球勝負。最後は外角143キロで見逃し三振に仕留めた。続く中村も内角高めの直球で空振り三振。被弾を恐れず、力ずくでねじ伏せた。

 残る2イニングはともに3者凡退に抑え、予定の3回を無失点で終えた。「特に右打者に集中したかった」。昨季はリーグワースト2位の被本塁打22を許したが、半数以上の13本は右打者に打たれた。投手有利の右対右でも気を抜かず、中島や中村、G佐藤ら右の強打者を打ち取った。

 今季の投手陣を支える「4本柱」は鉄壁だ。オープン戦が始まった2月26日からの3試合(韓国ロッテとの交流試合含む)で和田、杉内、大隣が先発していずれも無失点に封じた。助っ人右腕も「彼らはいい投手だから抑えても驚かないけど、互いに刺激し合えている」と負けるわけにはいかなかった。20日の開幕日本ハム戦から同30日西武戦までの7試合は、この4人でまかなう見込み。開幕ダッシュへ向けて頼もしいばかりの安定感だ。

 来日2年目の昨季は11勝をマークした。日本の生活にも溶け込み、体調管理も抜かりない。今年から週に数回サウナへ通い、水風呂と交互に入る「交代浴」にハマっている。体内の新陳代謝を高める効果があり、疲れ知らずの肉体で今季に備えている。シーズンでは22日の開幕3戦目、日本ハム戦に先発の見込み。「しっかり調整していくよ」。193センチ、101キロの巨体は数字以上の存在感を放っている。

 [2010年3月3日12時1分

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