真弓阪神に暗雲が垂れ込めた。新井貴浩内野手(33)が9日、右腰に強い張りを訴え、スタメンを予定していた日本ハム戦(京セラドーム大阪)を欠場した。ユニホーム姿でストレッチは行ったものの、その後真弓監督と話し合い、練習は行わずに帰宅した。和田打撃コーチは「大ごとじゃない。今は無理させたくないということ」と説明。真弓監督も「長かったら困るよ」と開幕への問題なしを強調し、今週中にも復帰できるとの見通しを明かした。

 ただし新井にとって腰は08年交流戦中に痛め、北京五輪で疲労骨折も経験した古傷。10日からは1軍本隊を離れ、慎重を期して甲子園で治療とトレーニングに当たることになる。常川チーフトレーナーは「病院に行く予定はない。古傷は左腰で関係はない」としたが、楽観できない。回復状況が予想に反せば、開幕への影響が懸念される。最悪、新井抜きという事態まで想定される。たとえ軽症でも、シーズン中に再発する不安もつきまとう。

 腰の張りは高松、倉敷と続いた週末の遠征が響いたとみられる。久慈守備走塁コーチは「バス移動があったから、影響があったかも知れない」と推察した。首脳陣は肌寒い天候にも配慮しつつ、最短復帰は13日横浜戦か、14日巨人戦(いずれも甲子園)を想定。岩田の離脱を除けば、野手陣は順調だっただけに、気がかりなアクシデント。新井本人はもちろん、真弓監督ら首脳陣は、軽症であることを祈るばかりだ。

 [2010年3月10日11時7分

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