<楽天5-4広島>◇10日◇明石

 シーズン中の登場曲に歌手北島三郎の「まつり」を採用する楽天の新守護神候補、フアン・モリーヨ投手(26=ツインズ)が、とんだ“まつり”を演じた。1点リードの9回に登板したが、6失点で不安を露呈。雨でぬかるんだマウンドでボールは制御不能の状態だった。四球に自身の失策も重なり無死満塁とし、押し出しで失点。喜田剛に走者一掃の「右前三塁打」を許した。

 押し出しの直後、ブラウン監督が左翼牧田を下げ、内野が本職の塩川を二塁ベースと遊撃手の間に入れた。中堅聖沢、右翼鉄平をそれぞれ左翼、中堅へと動かし、広島監督時代に用いた「内野5人シフト」を敷いた。モリーヨの球威を信頼し、左打者の喜田剛が打球を引っ張ることは困難と判断した布陣だった。だが無情にもモリーヨの直球は真ん中寄りの絶好球で簡単にはじき返され、「中堅」鉄平が全速力で追い掛けた。

 大きなリスクがあるシフトを敷く必要があるのか-。この疑問を置いても、自滅の形でピンチを招いたモリーヨは不安だ。モリーヨは「バッドコンディション」とひと言。ブラウン監督は「絶体絶命の場面、(サヨナラ負けのある)ビジターでしか使わない」と説明した。結局9回裏に雨が激しくなってコールド勝ち。モリーヨの失点も幻と消えたが、後味が悪かった。

 [2010年3月11日7時59分

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