<日本ハム16-5ソフトバンク>◇22日◇札幌ドーム

 秋山ホークスが屈辱的大敗で今季初黒星を喫した。日本ハム戦で負けなしだった先発デニス・ホールトン投手(30)が自己ワーストの9失点でまさかの2回途中KO。2回だけで10点を失い、計16失点で2年ぶりの開幕3連勝を逃した。17点を奪われた02年7月19日オリックス戦以来の大量失点で、05年に球団名がソフトバンクへ変わって以降ではワースト記録となった。

 悔しさを通り越し、あきれるしかなかった。試合後、秋山監督は首をかしげながらロッカーから出てきた。「予想外だったなあ。あんなホールトン、初めて見たよ」。右のエースが期待を裏切り、8年ぶりの16失点。「ソフトバンク」の球団名ではワースト失点で、2年ぶりの開幕3連勝は夢と消えた。

 「ハムキラー」がまさかの大失態だ。ホールトンは08年の入団以来、日本ハム戦で過去8試合4勝無敗、防御率1・88と抜群の相性を誇っていた。だが、初回から球が浮き、制球が乱れた。俊足の先頭打者田中を中前打で出塁させると、走者に気を取られて集中力もそがれた。高橋の適時打などで2点を失い、さらに2死二、三塁からは二岡へのスライダーが抜けて暴投で一挙2点を献上した。

 続く2回で試合はぶち壊しになった。助っ人右腕は稲葉と高橋に連続適時打を浴びて1回1/3で6安打3四球、自己ワーストの9失点KOとなった。2番手の大場も打ち込まれ、2回には相手に1イニング全員得点を許すなど10失点。1イニング2ケタ失点は05年4月13日楽天戦以来の屈辱となった。

 ホールトンは「人生の中で1番悪い試合。もしかしたらシーズン初登板で力みがあったのかも」と頭をかいた。昨季はチーム2位の11勝を挙げただけでなく、先発25試合中24試合で6回以上を投げる安定感が光った。「右の柱」が崩れれば、誤算は計り知れない。「今日は忘れて次に備えたい」と立て直しを誓った。

 3連勝こそ逃したが、チームは開幕カードを勝ち越して福岡へと戻る。26日からの本拠開幕3連戦では3連勝中のオリックスを迎え撃つ。秋山監督は「切り替えていくよ」と気を取り直し、帰りのバスへ乗り込んだ。その顔に、動揺の色はまったく見られなかった。

 [2010年3月23日12時2分

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