ポスト赤星と期待される阪神育成ドラフト2位の田上健一外野手(22=創価大)が29日、支配下選手登録された。西宮市の球団事務所で推定契約金1000万円、同年俸500万円で契約を結び、背番号は61に決定。阪神歴代の育成選手ではバルディリス、野原祐に次ぐ3人目の登録だ。田上は「(早い時期で)びっくりしたけど両親もすごく喜んでくれた」と感激。赤星氏直伝の教えを胸に、優勝の力になると意気込んだ。

 50メートル5秒7の俊足で、外野の守備範囲も広い右投げ左打ちの巧打者。赤星氏そっくりの特長を持つ新人は、キャンプを訪れた本家からプロで生きる極意を教わった。中距離タイプで細かったバットをアベレージ型の太いものに変更。盗塁の成功法や「次の塁を狙った前向きなアウトは仕方ないけど、けん制とか同じ塁で死ぬのはダメ」と金言も授かった。「それが実戦でも生かせてる」。ウエスタン・リーグ3試合で打率3割はチームトップで、2盗塁もリーグ最多タイ。最終的な登録の決め手となった。

 野手より中継ぎを増員したいチーム事情もあり、当面2軍調整が続く。だが現状の重量打線を踏まえれば、高い機動力はすぐにでもほしい。首脳陣は守備固めや代走など切り札昇格の検討に入った。「いずれは赤星さんの穴を埋める選手に。そこを目指していきます」。01年新庄のメジャー挑戦時、新人赤星が「新庄さんの穴を埋める」と有言実行した時と同じ頼もしいセリフ。「1番中堅田上」へ、牙を研ぐ。【松井清員】

 [2010年3月30日11時25分

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