<オリックス3-5ロッテ>◇2日◇京セラドーム

 ロッテ金泰均内野手(27)がついに目覚めた。5回無死一塁。オリックス先発近藤の真ん中直球を完ぺきにとらえると、バックスクリーン右まで運んだ。推定飛距離135メートルの特大アーチ。韓国9年では188本塁打を放ったが、10試合、44打席目にして出た来日1号に「今日はバランスも調子も良かった。気持ちいいです」と、笑顔でお立ち台に立った。「気分転換ですよ」と、バットの色を前日までの黒から赤に持ち替えての驚弾だった。

 道のりは平たんではなかった。開幕して6打席連続三振、これまで打率は1割台と苦しんできた。だが最近5試合で16打数4安打6打点と徐々に上向いてきていた。西村監督は「(今日の)1打席目もいい形で打てていた」と目を細めた。金森打撃コーチも「すごい。あそこまで飛ばすとは…。テギューンと飛んでいったね」とご満悦だった。

 チームは昨年、移動日ゲームで3勝12敗と大きく負け越したが、今季は初戦で「鬼門」を楽に突破した。同率ながら07年7月5日以来、1002日ぶりの首位。オリックスをたたいて首位タイに浮上したということ以上に、価値ある戦いぶりだった。【斎藤庸裕】

 [2010年4月3日10時0分

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