阪神藤川球児投手(29)が、甲子園開幕戦となる6日からの巨人3連戦で球団セーブ記録を塗り替える。現在、山本和行氏が持つ130セーブまであと「1」と迫る。記録達成は甲子園まで持ち越されたが「そんなの気にしていない」と本人はさらり。それでも、チャンスがあれば逃すつもりはない。

 セーブについての持論がある。「チームが強くないとできないし、自分だけの記録じゃない」。3月30日広島戦で今季初セーブを挙げると、連夜のセーブで一気に王手をかけた。だが、記録を目前にした中日3連戦では、チームがよもやの3連敗。守護神が出る幕はなかった。

 これも縁なのかもしれない。今季初の甲子園、相手は天敵巨人だ。昨季は悪夢を見た。5月2日、坂本に151キロを左翼スタンドに運ばれて敗れた。翌3日には右ひじ痛で登録抹消。リベンジして、記録を塗り替えるにはこれ以上ない状況だ。球児は甲子園を「自分の庭みたいなもんやね」と表現する。初セーブは05年9月9日広島戦、舞台は甲子園だった。それから、4年6カ月。大歓声がわき起こる庭で、守り神が球団史に名前を刻む。【鎌田真一郎】

 [2010年4月6日11時12分

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