<巨人5-2阪神>◇15日◇東京ドーム

 巨人の内海哲也投手(27)が、開幕から無傷の4連勝をマークした。初回、阪神1番のマートンに本塁打を許したが、2回以降は変化球中心の粘りの投球で7回1失点。代打を送られた直後に坂本の逆転満塁弾が飛びだした。巨人の開幕投手としては89年の桑田真澄ら4人に並ぶ4戦4勝となった。

 バットを置き、ベンチに腰を下ろした左腕は、仲間を信じて祈った。1点ビハインドの7回。2死二、三塁の場面で代打を送られた巨人内海の頭の中に、最高のシナリオが浮かんだ。「脇谷さんが四球で、勇人が満塁弾を打つ」。予感は的中した。「本当にその通りになったのでビックリ。うれしさのあまり我を忘れてしまいました」。逆転満塁本塁打の坂本がベンチに戻ってくると、顔をくしゃくしゃにして抱きついた。

 粘りの投球で開幕から無傷の4連勝をマークした。初回、阪神の1番マートンに直球を完ぺきにとらえられ先制ソロを打たれた。5年ぶりに浴びた先頭打者弾にも表情を変えず、すぐに2番打者へと気持ちを切り替えた。ムキになるのではなく、変化球中心の配球で相手の打ち気をそらし、2回以降はゼロを並べた。

 14日は順番通りなら内海の登板日だったが、ゴンザレスが中4日で先発した。相手に悟られないよう、グラウンドでは登板当日の調整をしているように装った。「フォア・ザ・チームです」。人目のつかないブルペンにこもって黙々と本来のメニューをこなした。

 好投すると必ず「ナイスピッチング!」と声を掛けてくれた木村拓コーチの話題になると感極まった。「今日は拓さんの誕生日。何としても勝ちたかったですからね。でも、自分はまだまだ野手の皆さんに助けられている試合が多い。次も粘り強く投げたい」。絶対的なエースを目指す選手会長は、少しも浮かれることなく次の登板に目を向けた。【広瀬雷太】

 [2010年4月16日8時50分

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