球児が中学生の手本になる。阪神藤川球児投手(29)の著書で、09年の3月に出版された『未熟者』(ベースボールマガジン社)の一節が、来春から新学社(京都市)が発行する中学3年生を対象とした教材『国語の新研究』で扱われることが、10日分かった。著書の一節が引用され、それを元に設問が作られている。

 「光栄なことです。あらためて、今まで以上にまじめに生活していこうと思いますよね。襟を正してがんばっていきます」。8日に採用を伝え聞いた球児は、素直に喜んだ。

 抜粋された内容は「あいさつ」の重要性を説いた部分だ。ロッカールームや、ベンチ内で先輩、後輩にかかわらず率先してあいさつするエピソードがつづられている。同社の国語担当者は「藤川さんのポジションや、あいさつのくだりについて、中学生があいさつが恥ずかしいとか、言えないとか、藤川さんの文章であいさつの必要性が認識できると思い採用しました」と説明した。最終的に約50冊にしぼられた中から選ばれたという。

 今季は16試合17回 1/3 を投げて、いまだ無失点を続け、絶対的な安定感を誇る守護神。マウンドの外でも、その影響力は絶大だ。

 [2010年5月11日12時10分

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