阪神の今秋ドラフト1位候補の本命に早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)が急浮上していることが20日、分かった。阪神は今年のドラフトで、将来のエースになる本格派投手を指名する方針を固めている。同じ早大の大石と中大・沢村の両右腕、佛教大の左腕大野らの密着マークを続けているが、ここにきて斎藤を推す声が高まってきた。

 斎藤が早実のエースとして全国優勝した06年夏、当時の宮崎オーナーは「4年後を注目したい」と話した。その思いが再燃。球団関係者は「試合をしっかりと組み立てられる能力はやはり魅力的だ。最終学年になって球自体も良くなってきた。球団内で評価は上がっている」と明かす。阪神電鉄本社の首脳は「人気球団だけに新戦力がプレッシャーに負けて、伸びないことが多い。条件としては実績は必要だ」。東京6大学で通算27勝を誇る実績十分の斎藤なら、5万人近い大観衆の前でも力を発揮できるとみている。

 阪神は1位指名の決定まで慎重に議論を進めていく姿勢だが、4年前の夏に全国を沸かせた「ハンカチ王子」が、甲子園を主戦場として戻ってくることがあるかもしれない。

 [2010年5月21日8時8分

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