鷹が牛を救う-。ソフトバンクがキャンプ地宮崎へ、救いの手を差し伸べることになった。5月29、30日の中日2連戦(福岡ヤフードーム)は、宮崎市協賛の「みやざきスペシャルゲーム」。ソフトバンク球団と同選手会(川崎宗則選手会長)は急きょ、口蹄(こうてい)疫感染の問題で揺れる宮崎県に対し両日球場でファンに募金を呼びかけるメッセージを流すことを決定、横浜戦が雨天中止となった23日にビデオ収録を行った。

 雨の横浜スタジアムの三塁側ベンチで、ソフトバンク球団と選手会による“ビッグプラン”が進んでいた。川崎宗則内野手(28)、杉内俊哉投手(29)と主力選手が相次いでビデオ収録に臨み、ファンへのメッセージを語りかけた。

 内容は、口蹄(こうてい)疫感染の問題で苦しむ宮崎への募金を呼びかけるもの。キャンプ地である宮崎を救おうと急きょ動き始めた活動だ。

 ファンに募金を求めるのは、5月29、30日の中日2連戦(福岡ヤフードーム)。両日は球場コンコースに3カ所の募金箱を設置し、試合前やイニング間に選手からのメッセージビデオが大型ビジョンに映し出される。もともと、両日は宮崎市が協賛となって特産品をアピールする「みやざきスペシャルゲーム」。これまでソフトバンクは球団とマーケティング会社、選手会の共同で義援金300万円の寄付を打ち出していたが、さらに被害の広がる宮崎県を救おうと乗り出したのだ。

 川崎選手会長は「いつも自分たちは宮崎にお世話になっている。何とか、手助けになることができないかと考え、こういう形になりました」と話した。関係者によると、今回の企画決定は22日という。球団と選手会が一体となってファンに募金を求めるのは、異例のケースだけに、熱の入れ具合が分かる。今後、入場料の一部を寄付に回すことなども検討されそうだ。

 もちろん、グラウンドでも重要な2連戦。中日は交流戦開幕カードとなった敵地ナゴヤドーム(12、13日)で連敗を喫した。本拠地でリベンジを誓うソフトバンクにとっては1試合も落とせない。交流戦3連覇に向けても負けられない試合になる。「みやざきスペシャルゲーム」は、ソフトバンクナインのグラウンド内外の動きに注目だ。

 [2010年5月24日10時50分

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