交流戦は29日から後半戦に突入する。西武ドームで西武と対戦する巨人は、23日のオリックス戦で死球を受け右手尺側部の打撲のため欠場が続いていた巨人小笠原道大内野手(36)が、3番スタメンで復帰する見通しとなった。指名打者にアレックス・ラミレス(35)を入れた破壊力抜群の打線で、「巨人キラー」岸孝之(25)、帆足和幸(30)の2投手に挑む。

 巨人打線にガッツが戻ってくる。原監督が28日、西武ドームでの全体練習を前に「明日からというつもりではいる」と、29日の西武戦から小笠原をスタメン復帰させる考えを明かした。患部の負担を考慮し指名打者での出場もあり得るが、伊原ヘッドコーチは「守りも大丈夫。DHはないよ。うちには専門がいるから」と、指名打者ラミレスを示唆。最終的には試合前練習を経て決定が下されるが、小笠原は定位置の「3番三塁」が有力だ。

 明るい表情が回復を物語っていた。約2時間、汗を流した小笠原は「明日になってのお楽しみですよ~。こう、ご期待!」と、いたずらっぽく笑った。患部の状態について詳細は避けたが、打撃練習では右手にテーピングを施しただけ。前日まで保護のため付けていた革手袋を外し、いつものように素手でバットを振った。「革手袋を忘れたんだよ」と、おどけたが、それだけ衝撃に耐えられるようになった証拠だ。三塁ノックでは一塁へダイレクト送球を繰り返した。「(送球は)だいぶ、いいね」と状態は確実に上向きだ。

 交流戦9勝3敗と好調の西武が相手。1カード2試合のため、初戦をとる重要性は3連戦のリーグ戦よりも、ずっと高い。その初戦、相手先発は防御率パ・リーグトップの帆足が予想される。さらに、30日の2戦目は巨人戦4連勝中の岸が立ちはだかる。2枚看板をぶつけられるが、小笠原が戻る打線は破壊力抜群だ。小笠原は「全力でやるだけです。自分のやれることをやりたい」と静かに決意を口にした。3試合を欠場したうっぷんを、自らのプレーで晴らす時が来た。【古川真弥】

 [2010年5月29日8時31分

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