<ロッテ5-0横浜>◇29日◇千葉マリン

 横浜からトレードで加入したロッテ吉見祐治投手(32)が、古巣相手に6回3安打無失点と好投し2勝目を飾った。「いろいろ思う部分があった。見返したいとか、活躍して恩返ししたいとか…」と熱い気持ちをボールに込めた。130キロ後半の直球に得意のカーブ、スライダーで緩急をつけ、初回を3者凡退に仕留めると自然とガッツポーズが出た。

 西本投手コーチのアドバイスが生きた。横浜時代はプレートにかけていた軸足の左足を、プレートに添わせて立つように変えた。体勢が安定することで、上半身が前に突っ込まなくなり制球力アップにつながった。同コーチは「アドバイスしたらすぐに自分のものにした」と感心する。横浜では「構想外」だった左腕が、新たな環境で飛躍のきっかけをつかんだ。

 5回2死一、三塁のピンチも無失点で切り抜け、6回を無四死球で勝利へと導いた。西村監督は「意地があったんでしょう」とたたえた。横浜時代に最もお世話になったというエース三浦との投げ合いも制した。「一番仲が良かったので、いい投球を見せられて良かったです」と、本当の意味で巣立ちになったようだ。【鳥谷越直子】

 [2010年5月30日8時17分

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