<横浜3-7阪神>◇19日◇横浜

 城島が神の手スローイングでファインセーブ!?

 阪神はリーグ戦再開初戦の横浜戦(横浜)に7-3と快勝したが、勝敗の分岐点となったのは3回裏。1死から三塁打を浴びながら、城島健司捕手(33)が三塁けん制で勝ち越しの走者を刺した。三塁新井と絶妙のアイコンタクトでズバッと“キラーパス”。直後の4回表に決定的な4得点が入るなど、PKを止めるスーパーGKのごときジョーの鉄ぺきガードが白星再発進を呼んだ。

 正真正銘のビッグプレーだ。同点の3回1死三塁のピンチ。城島が強肩を発動した。石川への2球目を捕球して三塁に送球。飛び出した三塁走者下園を殺した。「プレー自体は特に難しくなくて勇気があればできる」と言ったが、一瞬にプロの技が凝縮された。

 (1)戦術眼

 石川が初球スライダーをファウルした際に走者下園が大きく飛び出すことを察知。三塁手新井と「企業秘密」(城島)というアイコンタクトを交換した。吉田バッテリーコーチは「1球目を見てベンチからサインを出そうと思ったが、外角直球のボール要求だったので(出してない)。城島は常日ごろ狙っている」。新井とは2月キャンプ中から話し合いを重ねた。この日の“サイン”以外にも2人だけの決めごとがある。例えば米国と違って日本では捕手は1試合3度しかマウンドにいけない。自分がいけない際は新井をマウンドに送って間をとる合図がある。そんな周到な準備が実を結んだ。

 (2)勇気

 久保の2球目、143キロ直球はワンバウンドだった。城島はボールを握り直す時間はなく投げた。「一発しかできないプレー。ワンバンだからやめますというわけにいかない。ランナーに当たろうが、後ろにそらそうが、ビビッてもしょうがない」。けん制に関して、その成否よりも強肩を相手に植えつけてリードを小さくさせる「抑止力」につなげるというポリシーがある。「後ろにそらしたらクソみたいに言われる」ような状況でも腹をくくって投げる。

 (3)技術

 本塁から三塁への送球は帰塁する走者と三塁ベースが重なる。走者もボールに当たることを狙う。ただ城島は百も承知で「最終的に走者はスライディングする」。ランナーが走るコースに惑わされず、ベース直前でその上体が沈み込むことを想定して投げる。走者の動きを読む目と高い技術。この日の1投は捕球した新井がグラブを動かさないで走者にタッチできるドンピシャ送球だった。

 城島は「監督は僕のスローイングになんか言ってました?」といたずらっぽく笑った。もちろん真弓監督も大満足だ。「大きいね。ああいうひとつのプレーでしっかりと流れをつかんだ」と指揮官。勝ち越しを防いだ直後の4回表に打線がつながり4得点した。ジョーの「鬼肩」がリーグ再開の白星発進を運んできた。

 [2010年6月20日11時41分

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