<オールスターゲーム:全セ5-5全パ>第2戦◇24日◇ハードオフ新潟

 お祭り男だ!

 中日森野将彦内野手(31)が2打数1安打1打点と見せ場をつくった。4安打を放った23日に続き、第二の故郷である新潟でもヒットマンの本領を発揮。この2日間で7打数5安打2打点の大爆発。これでオールスターでの通算成績も10打数7安打、打率7割と驚異的だ。9回は最後の打者となり、オールスター記録の6打数連続安打にはあと1本届かなかったが、巨人を追撃する後半戦へ弾みをつけた。

 勢いは止まらなかった。中日の選手会長として、球団の全国アピールに燃えていた森野が、第2戦でも犠飛に安打にと大暴れ。同点の9回には、2死から二ゴロに倒れ、6打数連続安打の球宴記録には並ぶことができなかったが、2試合で計5安打の固め打ちで、充実感いっぱいの笑顔を振りまいた。

 「最後に(本塁打を)狙いはしたけどダメでした。まあ、こんなもんでしょ。記録のことは知らなかったけど、こういう時は打てないもの。無理ですよ。でも、たくさん打てたし、1戦目も2戦目も打てたのがうれしいですね」

 この日の初打席は5回だった。無死三塁のチャンスで代打として登場すると、楽天永井からセンターに4点目となる貴重な犠飛。ビハインドを1点に縮めると、続く7回にはオリックス平野から中前打。シーズンと変わらぬ活躍で、全国のファンに森野の名を強烈に印象づけた。

 23日から続いていた連続安打は4打席で止まり、01年にペタジーニ(当時ヤクルト)がマークした6安打にも届かなかった。ともにあと1本出ていれば、球宴タイ記録だったが、それでも昨年の井端に続き、歴代2位となる5打数連続安打をマーク。ファンの脳裏にしっかりと記憶を刻み込んだ。

 新潟は第二の故郷だった。母真智子さんが十日町市出身で、森野も子供のころには夏休みに毎年のように帰省していた思い出の地。昨年の9月の横浜戦でも本塁打を放っていた。この日もスタンドでは両親をはじめ、親せきら10人以上の応援団が声援を送っていただけに「新潟で1本でも打ちたいと思っていたのでうれしい」と、喜びも倍増だ。

 23日の試合でフル出場しただけに、この日は試合前も「きょうはちょっとだけかな」と、リラックスムードだったが、バットを持てばシーズンと変わらぬ集中力。夢の舞台でつかんだ最高の感触は、27日から始まる後半戦に向けても、大きな収穫となったに違いない。【福岡吉央】

 [2010年7月25日11時39分

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