4位ヤクルトが奪三振ショーで巻き返す。球団は後半戦開幕となる27日広島戦からの主催8試合を対象に、投手の奪三振数に応じてチケット価格(A指定席=3900円)を割引することが25日、分かった。9月14日からの巨人3連戦(神宮)が割引対象で、1奪三振ごとに30円値引きされる。投手が三振を多く奪うほど、ファンが球場への応援に行きやすくなる珍しいチケット販売戦略で、逆転のクライマックスシリーズ進出を後押しする。

 ファンにもチームにも、一石二鳥となる珍しい企画だ。後半戦を迎えるチームに、球団が大きな期待を込めて大胆なチケット戦略を行う。

 27日からの広島3連戦(神宮)、31日からの横浜2連戦(郡山、いわき)、8月3日からの中日3連戦(神宮)の主催8試合で、ヤクルトの投手が三振を1個奪うごとに30円、チケットの価格を値引きする。対象は9月14、15、16日の巨人戦(神宮)の一塁側のA指定席だ。

 チームは前半戦86試合で平均6・7個の奪三振をマーク。1試合あたり、この平均値でいっても約1600円の割引となり、チケットの価格は2300円となる。1試合17奪三振以上という日本記録なみの偉業を達成すると無料になってしまう計算だが、球団関係者は「アリです!

 それだけ三振を取ればチームが勝つ確率も高いので」と太っ腹だ。

 「タダ」とまではいかなくても、大きな値引きは期待できる。先発の一角として今季6勝を挙げている村中の奪三振率はリーグトップの8・94。松岡(8・87)、守護神・林昌勇(9・20)と、リリーフ陣にも奪三振男がそろう。小川監督代行も「いいアイデアですね。それでお客さんも喜んでくれるなら」と歓迎する。3位中日には9・5ゲーム差で、Aクラス入りへあきらめてはいない。勝利とファンのため「K」を積み重ねる。

 [2010年7月26日8時26分

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