<日本ハム6-7西武>◇1日◇帯広

 天敵KOも連勝ならず。日本ハムは6点差を追いつきながら、西武に6-7で敗れた。前半戦で3戦全敗と手も足も出なかった西武の帆足攻略に成功。6回1死満塁から糸井、陽の連続タイムリーで4点を奪い、帆足の日本ハム戦の連続イニング無失点を30イニングでストップした。7回にも3安打で2点を奪い、同点にしたが、勝利にあと1歩届かなかった。これで借金は再び2と波に乗りきれない戦いが続く。

 悲鳴とため息が交錯した。日本ハムが大どんでん返しの白星を、土壇場で逃した。1点を追う9回1死一、二塁で小谷野、糸井が倒れて雨中の熱戦は終止符。3回までに大量6点のビハインドを追いついたが、連勝ならず。梨田昌孝監督(56)は「あまりにもあっという間の6点だったからね」とやり切れない思いを吐露。必死の抵抗をしたが、無情だった。

 驚異の粘りで応戦した。先発八木が3回をもたずにKO。今季3連敗中だった西武帆足を6回にとらえ、たたみかけた。1死満塁から糸井の走者一掃三塁打、途中出場の陽の適時二塁打で一挙4点。帆足の日本ハム戦の連続無失点を30イニングで止め、逆転劇の布石をつくった。続く7回に森本の適時打、小谷野の犠飛で同点。ドラマのシナリオが完成したような、流れをつかんだ。

 9回の攻防が分岐点。先頭打者・中島のボテボテの遊ゴロを、猛ダッシュのハーフバウンドで金子誠が処理。送球が大きくそれ、二塁まで進塁を許した。2死一、二塁までこぎ着けたが、5番手菊地が佐藤に決勝二塁打を浴びた。金子誠は「余裕でアウト。みんな頑張ったのを、ぶちこわしてしまった」。梨田監督はかばったが、ベテランの名手は痛恨のミスを責めた。

 借金は再び「2」になった。先発投手の誤算を打線がカバーし、奪えれば勢いに乗れそうな1勝まで、あと1歩。残り46試合。試合巧者で鳴らした昨季覇者の、もどかしい停滞が続く。【高山通史】

 [2010年8月2日12時4分

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