<広島6-10阪神>◇12日◇マツダスタジアム

 はがゆそうな広島野村謙二郎監督(43)の表情が消化不良のゲーム内容を表していた。「3度も同じような場面があり、すべて空回り。自分たちのペースに持って行けなかったのが敗因です」と指揮官も認めるしかなかった。

 チャンスは山ほどあった。初回、連打で2点を先制し、なお無死一、三塁で広瀬以下が凡退。1点を追加したあとの3回1死三塁でも赤松が犠飛も打てない。2点リードの5回には、1死満塁の絶好機。またも赤松が前進守備の網にかかって三ゴロ。続く岩本も三振に倒れ1点も奪えなかった。いずれも追加点を取れば勝機をぐっと引き寄せられる場面で、凡打の連続。スクイズも考えた。だが相手も警戒している。そこで赤松、岩本らのバットにかけたが不発に終わった。

 その直後の6回、不安定ながら5回まで1失点で踏ん張っていたスタルツが3者連続本塁打されるなど一挙に7失点して形勢は大逆転。チャンスを逃し続けたツケが一気に回ってきた格好だ。指揮官は「(赤松らには)なにか形を見せてほしかった。2人がまるで機能しなかったのは考えないといけない」と頭を悩ませる。

 13日からは敵地ナゴヤドームで中日3連戦。嫌なムードを、先陣を切る前田健で振り払うしかない。

 [2010年8月13日10時59分

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