<中日3-0巨人>◇4日◇ナゴヤドーム

 やはり鬼門だった。巨人が中日に完封負けを喫し、ナゴヤドームでの連敗は8に伸びた。同一球場連敗の球団ワースト記録も更新。この間の1試合平均得点はわずか1・4点しかなく、原辰徳監督(52)は「相手投手(山本昌)に、丁寧にというか、大胆にというか、いいピッチングをされた。全体的に名古屋では打線が機能しないところに(連敗の)原因がある」と、いっこうに解消されない貧打を嘆いた。

 広いナゴヤドームは投手力がものを言い、得意の空中戦に持ち込むのは難しい。「打高投低」の巨人にとっては不利な球場といえる。山本昌の投球も見事で、攻略は至難の業だった。伊原ヘッドコーチも「いろいろと各自が準備をして打席に入っているんだけど、打てないということは力負けしているということ」と脱帽した。だが、27のアウトのうち実に14個が3球以内の凡打。淡泊な打撃で山本昌の好投を助け、闘争心や気迫は伝わってこなかった。

 5日は今季のナゴヤドーム最終戦。V争いに踏みとどまれるかどうかの分岐点にもなる。「打開策は?」と質問された主将の阿部は、言葉に力を込めた。「技術はみんな持っているんだから、ここまでくると精神論になってくる。何としても勝つんだとか、絶対負けない、とか。そういう気持ちを1人1人が持って戦うしかないと思う」。目の色を変えて、屈辱の連敗記録にピリオドを打つことを誓った。【広瀬雷太】

 [2010年9月5日11時42分

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