<中日1-0阪神>◇22日◇ナゴヤドーム

 落合竜が球団新記録の今季12度目のサヨナラ勝ちで、優勝マジック点灯に王手をかけた。

 必死に伸ばしたグラブに打球が収まった。5回1死二塁。阪神マートンが放った右翼への飛球に野本圭外野手(26)が反応した。落下点に走り込むと体を反って必死にジャンプ。ボールをつかまえると、すぐさま体を反転させて送球の体勢に入った。全くスキのない動作にナゴヤドームは大歓声。試合中盤のファインプレーが、0-0の白熱の投手戦を演出した。

 野本

 この3連戦は先取点がカギになると思っていた。何が何でも捕ってやろうという気持ちだった。

 必死だった。21日に先制の犠飛と適時打で2打点をたたき出して“打のヒーロー”としてお立ち台に上がった。だが、どうしても守備での借りを返したかった。

 4日前の18日ヤクルト戦(神宮)。6番右翼でスタメン出場したが、4回の守備でミスを犯した。無死二、三塁から飯原の右飛を捕球。タッチアップした三塁走者を刺そうとしたが、送球が一塁側へ大きく逸れた。直後にベンチに下げられ、笘篠外野守備走塁コーチから指導を受けた。

 失敗はグラウンドで取り返すしかない。ビッグプレーで名誉挽回(ばんかい)した。【桝井聡】

 [2010年9月23日11時20分

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