阪神能見篤史投手(31)が、CSファーストステージに向けての“試運転”を完了させた。12日、甲子園球場で行われた主力打者相手のシート打撃に登板。ブラゼル、城島、関本からいきなり3者連続空振り三振を奪うなど、圧巻の三振ショーを披露した。

 容赦なかった。150キロに迫ろうかというキレのある直球を主体に打者を圧倒。さらに、打者をあざ笑うかのように横手からの“変則投法”を5球交え、的をしぼらせなかった。「今日はいろいろ試そうと思っていましたから」。シーズン中も何度か見られた横手投法だが、この日の投球はさらに精度が増した。女房役の城島は「いいんじゃない。CSでバンバン使いたいと思います」と予告した。

 まず“餌食”となったのがブラゼルだ。カウント1-1からの3球目。予想もしなかった横手からの外角高めスライダー。タイミングをずらされ空振り。その残像があったのか、最後は上手からの外角スライダーで空振り三振に倒れた。そして関本。4球目に横手から内角スライダーを投げ込まれると、最後の5球目も横手からの外角チェンジアップにバットは空を切った。

 しかし自らの調整重視と見られた本気モードはここまで。その後は相手の調整を意識したのか、打者3人できっちり?

 2安打を許した。能見は「手応え?

 それは打者に聞いて下さい」。16日の第1戦、昨年7月から7連勝中と好相性の巨人相手に先陣を切る予定。さらに厄介になった姿で先勝を運ぶ。

 [2010年10月13日10時52分

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