ソフトバンク多村仁志外野手(33)が今オフ、フリーエージェント(FA)権を行使することが20日、明らかになった。すでに球団と残留交渉をスタート。話し合いの中で、FA権を行使した上で、残留交渉を続行する方針が確認されていた。FA宣言=他球団流出ではなく、ホークス残留を最後まで選択肢に残して交渉が進められる。

 多村にとっては、メジャーを含めて他球団の評価を聞くチャンスが与えられる。今季は140試合出場、打率3割2分4厘、27本塁打、89打点でチーム3冠王。7年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献したスラッガーの評価を比較できるのは、交渉への利点になるはずだ。球団にとっては、提示している条件面で他球団に劣らない自信の裏返し。小林至取締役(42)は「多村選手本人も残留を希望していると私に言明している」と語った。さらに、単年契約が球団スタンスながら、複数年契約についても「極めて柔軟に、あらゆる可能性を含めてやっている」と歩み寄りの姿勢をみせた。

 多村はこの日朝、家族の待つ横浜の自宅に戻った。27日から始まる秋季練習は参加を免除されており、11月中旬まで福岡入りの予定はなく、都内のジムでトレーニングを続行する。日本シリーズ終了後にFA宣言し、他球団を含めてソフトバンクとも、長期的な交渉に入ることになる。

 [2010年10月21日11時24分

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