「ハンカチ王子」になりきって?

 佑ちゃんをゲット!?

 28日のドラフト会議で早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)を1位指名するヤクルトの小川淳司監督(53)が26日、斎藤を引き当てるための“珍作戦”を明かした。斎藤が高校3年の夏の甲子園で使用したような青いハンカチをポケットに忍ばせ、青のパンツをはいて会議に臨むという。斎藤がやっているというトイレ掃除まで示唆。じゃんけんにはめっぽう弱く、くじ運は悪いという小川監督の必死の験担ぎは、果たして実るのか。

 ドラフト会議が2日後に迫り、神宮外苑で秋季練習に臨む小川監督は緊張の表情を浮かべていた。“恋人”の斎藤は、ロッテも1位指名を公言するなど、複数球団による競合が濃厚で、抽選となった場合はくじを引く大役が待っている。実績と人気を兼ね備えるスターとの入団交渉権を、何としてでも獲得しなければならない。以前は「じゃんけんだって弱いし、僕は運がない」と、ぼやいていた指揮官は、開き直ったように、ある作戦を明かした。

 小川監督

 青いハンカチを持っていこうと思います。彼が試合で汗をふいてたようなやつ。あと、パンツも青でいこう。紺色しかないけど…。ネクタイも、青っぽいのをしていきます。

 青いハンカチといえば、斎藤が早実時代に全国制覇した06年夏の甲子園や国体のマウンドでポケットにしのばせ、顔の汗をふく姿が有名になった。涼しげで、さわやかな笑顔も重なり、「ハンカチ王子」は日本流行語大賞にもノミネートされたほどだ。小川監督は、そのハンカチなど斎藤と縁のあるものを身にまとい、会場に乗り込むつもりだ。

 ハンカチや下着にこだわるだけではない。早大野球部の4年生は今年から寮の1階の掃除を担当し、斎藤はトイレの便器を磨いてから試合に臨む日が何度かあったという。小川監督は「朝はトイレを掃除していこうかな。(チームの秋季練習で)そんな時間ないかもしれないけど…。トイレには神様がすんでるというからね」。じゃんけんが弱く、「ロト6」(数字選択式宝くじ)を毎週購入しながら外し続けるなど、くじ引きには自信のない小川監督だが、強力な験担ぎで格段に運がアップするかもしれない。

 小川監督は75年夏の甲子園で、習志野(千葉)のエースとして全5試合を投げ抜いて優勝した。夏の甲子園の優勝投手がプロ野球監督として、夏の甲子園優勝投手を引き当てると、長いドラフトの歴史の中でも初めてといわれる。「人ひとりの人生がかかってるわけですからね。冗談は言ってられません」。まじめな指揮官は、無事大役を果たし、青いハンカチで額の汗をぬぐえるだろうか。【由本裕貴】

 [2010年10月27日8時23分

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