<日本シリーズ:中日12-1ロッテ>◇第2戦◇10月31日◇ナゴヤドーム

 弱り切ったロッテにトドメを刺した。6回無死一塁から中日トニ・ブランコ内野手(29)が放った飛球は右中間前列に到達した。12-1。竜の猛打ショーを締めくくった。

 「カミサマのおかげだよ。完ぺきにとらえることができた」。巨人とのCSファイナルは打率2割5分、0発、2打点。要所での打点もあったが本調子にはほど遠かった。9月22日の阪神戦で右手中指を痛めた。残り4試合のうち2試合を欠場。打撃練習すら控える状態に陥った。

 バットを握る指には痛みが残る。それでも「ここまできたらやるしかない」と自らを奮い立たせる。信頼を寄せてCSから5番起用を続けてくれる首脳陣の期待にも応えたかった。

 打線が大量点を奪った初回の第1打席、2回の第2打席とも三振。1人取り残されたが、失敗は繰り返さない。3回2死満塁で痛烈に一、二塁間を抜き、2者を生還させた。今年の日本シリーズ初安打、初打点。「1本出てホッとしたよ」。その勢いに乗ってダメ押し2ランが飛び出した。

 「今日勝てたのは大きい。とても大事な1勝になった。また千葉で勝てるように頑張りたい」。中日の得点力アップのカギを握ると目されていた5番打者の復調は頼もしい。

 [2010年11月1日11時1分

 紙面から]ソーシャルブックマーク