まだまだとるで~!?

 岡田オリックスが、今オフ3件目のトレードを成功させた。オリックス山本省吾投手(32)と横浜寺原早人投手(27)の交換トレードが両球団で合意に達したことが5日、分かった。6日にも正式発表されるが、最終調整中で、2対2などの複数トレードに発展する可能性が高い。今季5位からの巻き返しを期し、なりふり構わぬ補強を続ける。

 チーム改造へ次々にトレードを押し進める岡田オリックスが、新たななビッグネーム獲得に成功した。ダイエー(現ソフトバンク)-横浜で主力として働いてきた寺原だ。横浜移籍後の07年は先発で12勝、08年は抑えで22セーブを挙げた右腕。ここ2年はケガに苦しみ、思うような成績を残せなかったが、本来は先発も抑えも任せられる万能投手だ。

 交換要員は先発左腕の山本だ。慢性的な左腕不足に悩むオリックスで、08年に自身初の2ケタ10勝を挙げ、09年9勝、今季8勝と安定した成績を残してきた。投手として脂が乗ってきた左腕を放出してまで寺原獲得に踏み切ったのは、投手陣全体の底上げをはかり、左右を問わず、安定して先発を任せられる投手を補強するという、岡田彰布監督(53)の構想に沿うものだ。

 守護神としても経験豊かな寺原が加入すれば、チーム状況次第で、今季抑えを務めた岸田護投手(29)を先発に回すことも可能だ。今季のオリックス先発陣は、金子千がリーグ最多の17勝、巨人から移籍した木佐貫は3年ぶりに2ケタ10勝を挙げた。だが2ケタ勝利は2人だけ。復活を期待した小松、近藤はそれぞれ5勝にとどまり、クライマックスシリーズ出場をかけた終盤にロッテに競り負ける要因になった。投手陣全体の底上げは、今オフの岡田オリックスの強化テーマ。潜在能力の高い寺原というピースを手に入れ、チーム改造に一気に動きだす。

 さらに、オリックスは投手を横浜は内野手の補強を狙っており、2-2の複数トレードに発展する可能性も高い。オリックスは今オフ、ラロッカ、レスター、セギノールを解雇し、カブレラも自由契約とした。戦力の大量流出を補うため、出血覚悟の補強を続ける。

 [2010年12月6日11時47分

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