巨人が大リーグ・ダイヤモンドバックスのラスティ・ライアル内野手(27)の獲得に動いていることが9日、明らかになった。米フロリダ州オーランドで行われている大リーグのウインターミーティングの会場で、複数の関係者が明かした。右投げ右打ちのライアルは、09年に3Aで17本塁打を記録したパワーの持ち主で、内野なら一、二、三塁、加えて外野も守れるユーティリティープレーヤー。若手の新外国人の加入で、チーム内の競争はより激しさを増すことになる。

 V奪回を目指す巨人に、新たなパーツが加わりそうだ。DバックスのタワーズGMは8日(日本時間9日)、ライアルの権利を日本のチームに売ることを明かした。球団名は明かさなかったが、複数の関係者の話で、巨人が獲得に動いていることが分かった。

 今年27歳のライアルは、09年シーズン途中に3Aからメジャーに昇格。Dバックスで2年間プレーした。左投手先発時にスタメンで起用されるなどスーパーサブ的な役割をこなし、今季は104試合に出場し、打率2割6分1厘、3本塁打をマークした。

 メジャーでは2年間で通算6本塁打だが、08年には2Aで16本塁打、66打点、09年には3Aで17本塁打、70打点を残すなどパンチ力はある。中長距離打者として、来季はDバックスの正左翼手争いの中心選手と見られてきた有望選手だ。さらに父親は、91年から92年まで中日でプレーしたマーク・ライアル外野手で、日本にはなじみがある。

 巨人にとっては、打撃以上に、ユーティリティーな守備力が魅力。ライアルは過去2年間、一塁、二塁、三塁と左翼で先発出場の経験がある。今季、正二塁手として獲得したエドガー(退団)は、100試合に出場で打率2割6分3厘、12本塁打。しかし打撃成績以上に、守備でのミスが目立った。

 来季は、これまで三塁を任されてきた小笠原が、負担軽減も考慮し一塁へコンバートされる予定で、二塁、三塁は白紙の状態だ。今シーズン後半から二塁手を務めた脇谷、秋季練習から三塁守備練習に取り組む亀井、ベテラン古城に2軍若手も含めて横一線。ここに、さらなる一手が打たれ、“全員競争主義”を掲げるチームのレギュラー争いはさらに激化することになる。

 今季の年俸は40万ドル(約3200万円)で、資金的なリスクも少ない。27歳という年齢からも、将来性は十分期待できると判断したとみられる。年俸や契約年数など大筋では合意しているとみられ、インセンティブなど細かい契約部分で詰めの作業が行われている模様。メディカルチェックなどを経て、来週中にも正式決定の運びとなりそうだ。

 [2010年12月10日8時43分

 紙面から]ソーシャルブックマーク