阪神新井貴浩内野手(33)が自慢のパワーで怪物を震え上がらせた。13日に今オフ初めて広島市内にあるジム「アスリート」でトレーニングした。同施設を利用していた日本ハム中田翔内野手(21)に遭遇し、内転筋を鍛えるマシンで負荷値約50キロの差をつけ、格の違いを見せつけた。

 歯を食いしばり、鬼のような形相で、新井が股を閉じる。その負荷220ポンド。股を閉じる度に「ウォアッ」という雄たけびに近いうなり声を、室内中に響かせた。

 キロ換算で約100キロ。まだ内転筋のトレーニングを始めたばかりとはいえ、120ポンド(約54キロ)の数値しか出せない中田には約50キロもの差をつけてみせた。

 アスリートの平岡代表は「中田は新井の内転筋の強さにビックリしてたよ。中田には(新井の負荷を)上げられないもん。微動だにしなかった」と手も足も出せなかった中田の様子を説明した。

 新井は「中田とは(体重が)10キロも違うし、まだ内転筋のトレーニングを始めたばかりでしょ。持ってるものは素晴らしいし、慣れてくればすぐに上がるようになるよ」と“大人”の対応。ただ虎の4番が怪物の異名をもつ若手に貫禄勝ちしたことは間違いない。

 新井は「彼はスーパースターになれる存在。何とか頑張ってスーパースターへの階段を上がって行ってほしい。僕に金本さんといういいお手本がいたように、彼にはダルビッシュといういいお手本が身近にいる」とエールを送った。

 [2010年12月14日11時12分

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